リフォームのポイント
はじめの古物件探しでは、建築士の私(岩崎)が内覧と現地調査も同時に行って進めました。状態の良かった現在の住まいと出会い、柱や梁の状態をしっかりと見ながら、構造に負荷がかからぬように間取り変更を模索。住み替えにかかる総費用を考えながら、リフォームプランを練っていきました。
お客様の譲れないこだわりは、広々とした空間をつくること。二部屋に分かれていた1階は、仕切り戸と押入れを撤去し、室内壁も筋交いとすることで視線が抜ける広々LDKを実現しています。
優しい日差しが注ぐ、開放的なリビングを実現しました。他にもペットのトイレや、広々と使える2階、1・2階で分けたインテリア・テイストなど賑やかで、楽しいお住まいになったと思います。
お客さまのメッセージ
子どもも大きくなってきて『そろそろ住み替えたい』と考えていました。リノベーションという言葉が流行ってきた頃で、新築にはない味わい深い空間で暮らしたいと、中古リフォームに挑戦しました。
購入前にはどんなリフォームが出来るのか、一緒に内覧してもらってアドバイスをもらいました。結果的に構造の状態がよく、大規模な補強工事の必要がなかったので購入しまして、好きにリノベしたいなと。
北向きで暗い和室リビング、手狭なバスルーム、細かく区切られた2階フロアなどのいろいろわがまま言いました。予算も限られている中で、無駄のないしかもアイディアのあるプランを考えてくれて、工事中のいきなりの変更希望も快く受けてくれました。職人さんたちもみんな良い人で、つくづく思いますね、最高の我が家です。
工事内容
建物のタイプ:戸建住宅
価格:582万円
築年数:21年
工期:1ヶ月
構造:木造
施工地:神奈川県 川崎市多摩区
リフォーム内容:キッチン、浴室・バス、トイレ、洗面、リビング、子供部屋、和室、ペット、間取り変更、採光、建具造作
家族構成:夫婦、子供3人
プランナー:岩崎拓洋
LIVING 天井を上げて開放的に。 古民家風にリノベした畳リビング。
新たな家族の団らんの場所として活躍する畳リビング。収納を撤去し、天井を梁の位置まで上げたことで、広々と使うことができる。
柱や梁などを天然塗料で塗り直したことで、ほっこりとリラックスできる和カフェのような印象に。
2部屋に分かれていた1階は、仕切り戸と押入れを撤去し、室内壁も筋交いとすることで視線が抜ける広々LDKを実現しています。
天井は梁が見える高さまで上げ、さらに、床座のスタイルのために、より広々と感じられるようになりました。
KITCHEN
家族の様子も見れて、手元も隠せる カウンタータイプのペニンシュラキッチン
キッチンはカウンターを設けて、使い勝手良く。以前は壁に向いたキッチンだったため、夫人たっての希望でオープンタイプを採用。写真奥の南側から取り入れた光が、リビング全体に行き届くつくり。
既製品のシステムキッチンに、夫人こだわりのコンロを組み合わせたセミオーダー品。「料理をする時間が、もっと楽しくなりました」と奥様。
玄関に入る光をキッチンに届けるステンドグラスも新しく作りました。四方から光が差し込むため、日が沈むまでいずれかの窓から陽が入るように。
住まいのアクセントになりながらも、明かり取りにも活躍します。
BATHROOM
狭かったタイルのお風呂を広々バスルームに!
「タイルの在来のお風呂で、老朽化が著しく古く汚かった。また子供たちと入るには狭く、もっと広くしたい。冬場も寒くないように暖房器を入れて、服も乾燥できるようにしたい。」というお客様のために、ご家族とお子様たちが楽しく入れる広々サイズのお風呂にリフォームしました。
複数のショールームにお客様と同行して、それぞれの良さなどをご説明しました。結果的に基本的な性能の高いTOTOのシステムバスを選ばれたので、旦那様が夜遅くても暖かい保温浴槽に、エコ水栓、ゆったり浴槽につかれるクレイドル浴槽をおすすめしました。もちろん浴室暖房乾燥機もセット。狭さを解消するために、洗面室側の壁を移設して、洗濯機と洗面化粧台をおけるスペースを残しつつ、ギリギリまで広げました。段差も解消して、お子様たちが転倒しないよう、設計をご提案いたしました。
WASHROOM
省スペースでも使い勝手&収納にこだわる洗面室
「お風呂を広げるので狭くなってしまうが、洗濯機と洗面化粧台をきちんとおけるようにしたい。洗面化粧台は小さくなってもいいが、しっかり収納できて、引き出しタイプがいい。お風呂との段差も解消したい」とお客様。
まず洗濯機と洗面化粧台の最小のサイズを確かめて、どこまで浴室が広げられるか設計。化粧台のサイズについては60cmで収納もしっかりでき、引き出し口タイプも揃えていたピアラをおすすめいたしました。
床も廊下と浴室と繋げてもフラットになるように調節。
フローリングの色も洗面化粧台と、浴室のアクセントパネルと同調するブラウンにして、空間の統一感をデザインしました。
壁を移設した際に、2階からの配管も通っていたため、これの移設も無理なく、しかし自然なレイアウトを崩さないように設計しました。
RESTROOM
「多摩川」をイメージした
夜は星空が輝く、明るく楽しいトイレ
「古くなっていた設備機器を取り替えたい。タンクレスになるので、2階トイレに手洗い器をつけたい。また夜中に子供がトイレで怖がらないようにしたい。むしろ旦那の思い描くトイレにしてあげてほしい」とお客様。
「川」をイメージしたという2階のトイレ。設備は節水と機能にすぐれたネオレストにすぐ決まり、手洗い器も省スペースの中で壁に埋め込む形でプラン。
壁に空、床に砂利を意識して各部材を選ばれました。壁紙は日中の光を取り込んで、夜に発光するタイプのもので、星空のように輝きます。砂利のようなカラフルな防水クッションフロアもご案内。
照明は...やっぱり必要なようです。見た目とは裏腹に、節水や機能、省スペースに優れたタンクレストイレで充実の仕様になっています。
CHILDREN'S ROOM
間取りを変えて2部屋を
広々使える、明るい子供部屋
「2階は子供が広々と遊べる空間にしたい。中央の部屋を寝室にしたいが、陽が入らないので窓側の部屋との壁を壊したい。その上で、将来的に分けて使えるように、仕切れるようにしたい」とお客様。
2階は和室と洋室の間の壁を繋げて、広々使えるように。より広く使えるように、L字型に壁を無くして、単に2部屋をつなげたようにはせず、人の行き来にパターンの幅を持たせました。
和室側が寝室、洋室側を子供部屋として使用。必要に応じて、引き戸で仕切れて便利に。間仕切りは3枚引戸で、サイズは特注品でご用意しました。
洋室の押入れを解体してフロアを広げ、奥様のエレクトーンを置くスペースに。重さに耐えられるように下地を補強しました。
床と壁紙をその一角だけあえて趣の異なる柄と色に。和室と洋室がつながることで広々とした子供部屋に。飛んだり走ったり、たくさんのお子様たちがのびのびと遊べます。陽の光も奥まで届き、明るくなりました。
JAPANESE-STYLE ROOM
お昼は子供部屋、夜は寝室になる可愛い和室。
「中央の部屋は家族の寝室にしたいが、洋室ではなく畳の和室にしたい。ただ1階の和室とは趣を変えたい」とお客様。
洋室から和室に変更する際に1階を古民家風に仕立てたので、2階は子供部屋らしく明るく可愛いデザインをご提案。奥の壁の一面をブルーグレーにして、畳もイエローとベージュを市松模様に。
日中は子供部屋としても使われるので、隣の部屋との段差もほとんど感じないように設計。1.5mmの厚さでも柔らかく、かつ機能的な畳をセレクトしました。
扉には、猫との暮らしをサポートする専用の出入り口を設けています。ブルーグレーの壁紙は光の具合で様々な色に変わり、飽きさせません。
PET LIFE
猫たちとの暮らしをサポートするアイデアで、快適生活!
以前から猫用トイレの場所に悩んでいたとお客様。来客時の臭いや汚れを解消するために普段人目につかない場所をトイレにして、臭い等が気にならないよう考えました。
そこで新たな住まいでは階段下を有効活用。扉に猫用の出入り口をつくり、中は匂いがこもらないように専用の換気扇も設けました。「来客時にも気にならないのがいいですね。匂いもまったく気になりません」とお客様。
その他に、主に猫が行き来する部屋の扉には、猫専用のドアを設けました。もうドアを半開きにしたり、いちいち猫に呼ばれて開け閉めする必要がなくなりました。
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